図書館迷宮と断章の姫君

『二人で始める世界征服』の作者の新シリーズ。
16年前に突如として現れた図書館迷宮。その迷宮で発掘された書物を読み、その力を魔法に変える読書魔法が発達した日本が舞台。主人公は図書館迷宮の探索訓練を行う高校に通う男子。幼馴染の家にあった書物を狙ったいざこざの中で幼馴染の家は消滅。幼馴染と、狙われた強い力を持つ書物『断章』が人化した少女・イクミと同居する事になって...と言う感じに話が始まります。

前作は結構緩い雰囲気のあった作品でしたが、今回はそれなりにシリアス。書物であるイクミの欠けたページを取り戻すべく、図書館迷宮を探索するのですが、ここは危険が一杯。さらにイクミを狙ってくる敵対組織まで登場して、命の危険がついて回る展開でした。
しかし殺伐とした展開なのかと言われれば全然そんな事も無く。人になったばかりのイクミは人との付き合い方を知らず、まるで子供のよう。主人公やヒロインも高校生なので決して大人ではありませんが、イクミに対しては兄姉のような立場から接する展開が微笑ましいです。迷宮探索も、主人公が強いし、何より慎重な性格なので割と安心して見ていられる感じ。敵対組織の動きやイクミの正体を考えると、このままずっと安心していられるとは思いませんが...どんな状況になっても主人公は踏ん張りそうだし、熱い展開も期待できそう。今後が楽しみです。