幕末魔法士

第16回電撃小説大賞・大賞受賞作。
時は幕末。鎖国が解かれ、海外の魔法学が入ってきた日本が舞台。主人公はそんな魔法を学ぶ若い魔法士で、優秀さを買われ、松江藩からとある魔道書の翻訳を頼まれ赴く事になったが...と言うお話。

微妙な感じでした。設定が設定だけに、日本に海外の文化が雪崩れ込んできた時代の話なのですが、それでも刀を吊るした侍の口からエルフとかドワーフみたいな単語が出てきたり、呪文に西洋っぽい単語が混ざったりしているのを見ると、物凄い違和感に襲われます。鎖国が解かれた後って魔法云々はともかく、このぐらい和洋折衷な感じだったのかなぁ。歴史にはトンと疎いので何とも言えませんが、読んでて「食い合わせが悪い...」と感じてしまいました。

話の展開も、微妙に先が読めてしまったのが残念。しかし、主人公の秘密に関する話は結構良かったです。この秘密って、読者としては秘密でも何でも無いんですが、作中の登場人物にとっては秘密。そのギャップが最初はシックリ来なかったのですが、その理由が判明する終盤の展開は良かったです。そう言う事か! と納得。
そして、最後に残された謎が分からない。夏晴れ...うーん。なんだろう。