ごくペン!

第5回MF文庫Jライトノベル新人賞・審査員特別賞受賞作。
子供の頃、一緒に東大に行こうと約束した主人公とヒロイン。主人公はその約束を糧に努力を重ね優等生になったが、ヒロインとは離れ離れに。しかし高校生になり、ヒロインが通っているとの噂の学校に転校する事にしたが、その学校「毒マムシ学園」は、バカの集まり。ヤンキーが学校に溢れ、暴力が吹き荒れる。そんな学校で再開したヒロインは、極道の親分になっていて...と言うお話です。

これは面白かったです。真正面からバカをやりきった展開が非常に好み。ヤンキーが学校を支配していて、極道はヤンキーになれなかった弱いもの達の集まり。そんな中でヒロイン率いる権田原組が掲げる、任侠が良い感じに熱い展開を巻き起こしてくれます。主人公とヒロインが、昔の約束について「裏切られた」「裏切った」と思っているのは正直どうかと思ったし、いつまでもヒロインの事を認めようとしない主人公も最初は好きになれなかったけれど、後半、怒涛の勢いで面白くなって気にならなくなりました。目の前で繰り広げられている光景は完全にギャグ。それも久しぶりに涙が出るほど笑ったぐらい凄い展開なんですが、そこに任侠を軸とした熱さも加わってとても痛快な内容。前半を読んでいた時には、ここまで楽しめるとは思っていませんでした。校舎...アンパン...どのネタも最高過ぎる。

笑いに笑った挙句、少しだけホロリとさせてくれる、そんな作品でした。とにかく笑いたい人には、特にオススメ。