Le;0 - 灰とリヴァイアサン -

地軸が傾いて気候が大変化して、世界のあちこちが水没した地球が舞台。日本も小さな島々に分割。しかも海にはリヴァイアサンと呼ばれる、巨大かつ凶暴な海洋生物が溢れ、お互いの行き来も安全とは言えない状況。戦う術を持つのは人間が突然変異した吸血鬼のみで、そんな吸血鬼たちと共存しつつ、彼女/彼らの力を借りて生きているとある島のお話です。

帯に『やってきたよ! リヴァイアさん?!』なんて書いてあったのでコメディかと思っていましたが、結構真面目なお話。海獣に吸血鬼...と、なんでもアリな内容。本屋であらすじを読んで、世界観が気に入って買いました。水没して島々に分かれた世界で、海を支配するのは海獣...。住んでいる人達にとってみれば生き辛い世界なんだろうけど、自分は何故かロマンを感じてしまい購入。小川一水の『ハイウィング・ストロール』に通じるものがあったからかなぁ。全然話は違うんだけど。予想以上に面白かったです。

一度戦った吸血鬼は日の元にさらされてしまうので灰になり、復活するまで戦えない。舞台となるのは3人の吸血鬼で戦う島で、そこに吸血鬼・姫乃と、彼女の転生師・顕九郎が流れ着く所から話が始まるのですが、訳アリな2人を中心として、徐々に島々の雰囲気が変わっていく展開が良い感じでした。最初は信頼されないのだけれど、実力を見せつけて信頼を勝ち取り、高飛車な連盟???に対抗して細々とした力が団結していく展開がとても好み。

また、吸血鬼の設定もユニークで良かったです。日光やニンニクに代表される弱点の克服方法が、なかなか類を見ないと言うか。とてもアバウトな方法なんですが、だからこそ面白かったのかも。

しかし、これで完結なんでしょうか。話は綺麗に終わってるけど...面白かったので続編出ると良いなぁ。