剣の女王と烙印の仔 1

杉井光MF文庫Jから出した新刊。
獣の烙印を持ち、どんな酷い戦場でも生き残ってきた傭兵の少年が主人公。ある日、敵軍の有名人で、死神と呼ばれる少女剣士に敗れ、気が付けば敵軍と共に行動する事になり...と言うお話。

これは微妙に肌に合わなかったです。自分の死に関する未来を視る事が出来るヒロインが、その日殺してくれるはずだった主人公の下に赴くも、主人公は人の運命を喰らう獣の烙印を持つが故に未来は曲がり、2人は共に行動する事に。死にたがりと殺戮者。こんな2人がメインで、かつ世界は戦争の真っ只中...と言う事で、全体に暗い雰囲気の漂う感じ。そんな中、ヒロインのツンデレっぷりが少々浮いているように感じられてしまい、どうにもシックリと来ませんでした。

傭兵なので負けてあっさりと敵軍に寝返り、ヒロインと共に厳しい戦いを繰り広げる主人公はヘタレっぽいけど、実はヘタレじゃないのが杉井光作品の主人公っぽくて良い感じです。状況に流されそうになりつつも、最後にはシッカリと自分の意思で進む所が好き。主人公のお陰で、後ろ向きだったヒロインがラストで少し前向きになってくれたのは嬉しかった。これで少しヒロインが好きになれそうです。今後の展開が楽しみ。