"文学少女"見習いの、初戀。

完結した文学少女シリーズですが、まだ少し続くようで。と言っても外伝? で、心葉が2年生になり、1人となった文芸部に新入生が入ってきて...と言う展開。あの終わり方からどう続くのか少し心配でしたが...相変わらず面白かったです。新キャラの後輩・菜乃が可愛くて良い感じ。

心葉に一目惚れして、あまり本は読まないのに文芸部に入った菜乃。心葉へのアプローチが非常に積極的で良い感じに引っかき回してくれます。最初は猫を被っていた心葉が、素の自分を出してしまうぐらい。心葉が遠子先輩一筋な事を知って落ち込んでもめげず、ななせにキツい一発を貰ってもめげず、ひたすら心葉を想う姿が健気で最高です。

以前に出た画集についている短編を読む限りでは、彼女の恋の行方は分かり切っているし、たとえそれが無かったとしても、どう考えても彼女の恋が実る事は無い。それが分かっているから、彼女の懸命さが切ない...。
凄く良い娘なんですよ? 図書館で知り合った女の子が心中願望を持っている雰囲気で、ある日突然音信不通。心配してかけずり回り、遂には麻貴先輩に助力を願うぐらい友達思い。なのに茨の道を進むんだもんなぁ。幸せになって欲しい。振られたって素敵な恋だったと、振り返って笑えるような、そんな展開になると良いけど...。

ストーリーの流れ的には、これまでとあまり変わりありません。巻き込まれた事件を解決すると言う展開。変わった事と言えば、これまで遠子先輩がやっていた探偵役を、心葉がやっている所ぐらいでしょうか。ヘタレを卒業した心葉って格好良いなぁ。菜乃に振り回されていそうに見えて、肝心の所ではしっかりと締める。成長いした姿が読めて良かったです。

こんな感じの1冊でした。普通に楽しめて満足。何冊か続きそうな雰囲気なので、今後にも期待。