かぐや魔王式!

月見草平の新作。
外面は物凄く良いけど、内心はその見た目を取り繕うためにひたすら腹黒い男子高校生が主人公。ヒロインは世界の王になる事を夢見る美少女で、そのヒロインに腹黒いところを知られてしまい、彼女の野望に手を貸す事になって...と言うお話。
アチコチでハルヒっぽいと言う感想を目にしたので、どんなものかと思っていたのですが、確かにそんな雰囲気があります。高校に入って最初の自己紹介で、夢は世界の王になる事と高らかに宣言し、ひたすらに我が道を突き進む所とか。しかし、後半は別に似ていない感じ。主人公がクラスメイトに自分の陰口を言っているのを聞いた後の展開とか...まさかヒロインがあんな反応をするとは。かなりの不意打ちで、ここから大分作品に対する印象が変わりました。ヒロインはもっと色々と超越しているのかと思いきや、ここで見せた普通の女の子っぽい所がグッと来ます。
主人公の方も、自分の人望を保持するためにはヒロインとの関係を隠しておきたい。しかし最初は迷惑に思っていたけど、話が進むにつれ、ヒロインに振り回されるのが嫌いじゃなくなっていく...と言う流れが、悪くない感じ。しかし、これまでよくボロを出さなかったよなぁ。正直、あまり自制心が無さそうな印象しか受けなかったので、腹黒い所は簡単にクラスメイトにバレるんじゃ? なんて感じてしまいました。まーその内、そういう展開もあるだろうなぁ。
と言う訳で、普通に楽しめた1冊でした。今後の展開にも期待。