ナインの契約書

第4回MF文庫Jライトノベル新人賞・佳作受賞作。
「九探偵事務所」の看板を掲げる悪魔の美少女とその使い魔の青年が、魂と引き換えに叶えた願い事。その願い事にまつわる、ちょっとダークなショートストーリーです。全部で5編収録。悪魔に願いを叶えてもらうためには、代償として魂が必要。この鉄則を軸に話が進みますが、基本的には願いが叶った後、その願いが引き起こした悲劇が中心。各短編の主役も、願いを叶えた本人ではなく、その願いに巻き込まれた人物の視点から書かれています。
微妙。読後感がどうにもスッキリしませんでした。自分の嗜好として、幸せじゃない話はあんまり好きじゃないと言うのが大きいんですが、ラストのお話だけ綺麗にまとまっているのが、どうにも...。そこだけ救いを見せられても、他の話はなんだったんだ? と言う気がしてしまい、納得できないまま読了。考え方を変えれば、どの話も皆、その主人公にとって救いのお話だったとも取れるんですが...こういう形での救いって、哀し過ぎるよなーと言う心情がどうしても先行してしまいます。完全に好みの問題ですが。
と言う訳で、読む人によって好みが分かれそうな作品でした。自分には合わなかったけど、逆に肌に合う人も結構いるかも。