ツァラトゥストラへの階段 3

シリーズ新刊。莫大な報酬と身の破滅が隣り合わせにある「ゲーム」に参加し続けるお話の3冊目。今回は携帯ゲーム機の中の世界と、現実世界がリンクしたRPGが今回のゲーム。携帯ゲーム機を持って移動すると、動いた分だけゲーム画面で見えるエリアも動く...と言う設定。ゲーム内のプレイヤーとして、1巻で登場したオリビアがここで再登場。
基本的に好きなシリーズなんですが、今回は少々微妙な感じ。現実世界での移動がそのままゲーム内とリンクするシステムは面白かったけど、オリビアの再登場と、前巻で仲良く? なった飛鳥、エージェントの舞、そしてゲームについては全く知らない幼馴染...と、主人公周りの人間関係がちょっぴり複雑に。この主人公、ゲームに対しては冷静なのに、人間関係が絡むと途端に冷静さを失いますね。終盤の飛鳥とのやりとりとか、「うわー」と思いながら読んでました。主人公が「自分のために戦ってくれ」みたいな事を言う訳ですが、もうちょっと相手の気持ちも考えようよとツッコミたくなってしまいました。信頼しているが故の発言なんでしょうけど...端的に言って酷い。
と言う訳で、終盤が好きになれなかった1冊でした。しかしゲーム自体は好きなので、次の巻に期待。