神曲奏界ポリフォニカ ジェラス・クリムゾン

すげー久々な『ポリ赤』の新刊。冒頭でいきなり知らない精霊が出てきたから、てっきり知らない間に読んでない新刊が出てるのかと思いました。実際にはキネティック版からの出張だったようで。自分の記憶力に自信が持てなくなっている今日この頃です。
内容的には、学院での指導を行う事になったフォロンが、課外活動の引率をする展開。学生たちで合奏し神曲を奏でようとするのですが、生徒の中に精霊を嫌っている子がいて...と言う感じに話が進みます。女子学生と仲良く話すフォロンを見て、サブタイトル通りコーティカルテがジェラシーに燃える。そんなコメディチックな展開の中に潜むのは、ダンテの奏始曲。『ポリ赤』の中心にあるこの奏始曲が、今回も陰謀に利用されます。
『ポリ赤』自体は久しぶりですが、相変わらずのクオリティで普通に楽しめました。コーティの嫉妬は妙な方向に向かいかかるし、フォロンは生徒に弄られるし...と、コメディな部分はシッカリと残しつつ、真面目な所は真面目に。メリハリがあるのは良い事ですね。真面目な部分は、神曲の学院にいるのに精霊が嫌いと言う矛盾を抱えた少女を軸に、奏始曲と反精霊組織の暗躍が重なり、割と大騒動になってます。この巻は上巻だそうで、事件の本番は下巻に続く感じですが...どう収めるんでしょうね、これ。とにかく奏始曲が最悪なまでに酷い代物なんだよなぁ。世間に広まったら大騒ぎじゃ済まないし。
精霊を嫌う人の言い分も分かるけど、その逆に精霊を好む人達の言い分も分かる。「人と精霊の付き合い方」と言うのが『ポリ赤』のテーマだと思いますが、今回はそれがモロにクローズアップされた展開なので、どう決着をつけるのか、今から楽しみです。
しかし、寸打をオーフェン以外の作品で見る日が来るとは思わなかったなー。懐かしい...。