MAMA

ミミズクと夜の王』でデビューした作者の新刊。
魔術師の一族に生まれたにも関わらず才能に恵まれなかった少女が、封印されていた悪魔を使い魔とする話。使い魔といっても一方的な関係ではなく、ヒロインは悪魔を自分の子供のように愛し、悪魔もヒロインを「ママ」と呼ぶ...と言う展開です。
落ちこぼれとして孤独な環境に追い込まれたヒロインと、同じく1人孤独に封印され続けた悪魔。お互いの境遇が似ているからか、互いに依存する関係になる展開は良い感じです。そこにあるのは半ば盲目的な愛で、どこか薄ら寒さも感じるんですが、それでも純粋な愛なんだろうなぁと思いました。
しかし、微妙に肌に合わなかったのは何故なんだろう。これって幸せなのかなぁ、なんて考え始めてしまうと、もうダメです。当人達は満足なんでしょうが...あんまりそう思えない。キャラ達の微笑んでいる光景が、読んでいて浮かんでこなかったからかなぁ?