ミステリクロノ

トリックスターズ』の作者・久住四季の新作。
時間を操る道具を地上にばら撒いてしまい、その回収にやってきた天使・真里亜と、偶然彼女と出会い、回収を手伝う事にした高校生の主人公・慧のお話。真里亜は精神年齢が幼児なみで、言動が凄く危ういんですが、それを上手く慧がフォローする形で話が進みます。
面白かったです。
タイトル通り、「ミステリ」と「時間」が話の主軸で、この巻では時間を戻す事ができる道具を巡っての事件が話のメイン。前作の『トリックスターズ』もそうでしたが、「できる事」と「できない事」がはっきりと最初に書かれているので、ミステリ部分で変に悩む事が無いのが良い感じです。今回は導入的な話だった事もあってか、あんまりミステリ要素は多くありませんでしたが、それでもちゃんと謎解きしてたし。
しかし、主人公に反発しながらも徐々に懐いていく真里亜がとても微笑ましいです。子を見守る親の心境と言うのは、こんな感じなんでしょうか。他のキャラもしっかり立ってるのもグッド。キャラが立ってると、それだけで安心できます。良かった。
と言う訳で、満足な1冊でした。ばら撒いた道具は全部で7個なので、少なくともシリーズ化は確定みたいだし、続きが楽しみです。