サイレント・ラヴァーズ 2

吉村夜の新刊。ボロボロになった地球を舞台に、ロボットで戦争するお話の2冊目。今回は主人公たち連合軍を装い、村々を荒らしまわるカイオン軍の部隊を追いかける形で話が進みます。
話の暗さは相変らず。ヒロインは故郷に婚約者を残しつつ徴兵。その婚約者はロボットに魂を封じ込められ、2度と人間に戻れず、しかもヒロインと同じ部隊に配属。正体を隠しつつヒロインを支えるものの、時折話の話題には婚約者の事が...と言う、相当に辛い設定なんですが、それに追い討ちするように、敵が酷い。
虐殺シーンが割とグロ目で、ただでさえ暗い雰囲気がさらにドンヨリ。しかしその中で、主人公達の部隊の隊長・アラシの格好良さが目立ってました。言動は乱暴そのものですが、それでも1本キッチリとした筋を通しているのが良い感じです。最近はヘタレが流行りのようですが、その真逆を貫き通しているのが素晴らしいですね。
しかしラストでアンタレスが貰ったプレゼント、良いなー。しかも簡単に使いこなせない設定にしている所も。哀しいんだけど、それでも先に進もうとしているのが心に響きます。満足。
あとがきを読む限り、次の巻では正体バレが話の焦点になるんでしょうか。バレたらどうなるんだろ。楽しみ。