レインツリーの国

『図書館内乱』の作中作として、タイトルのみ語られていた作品の書籍化。ようやく読了。
ブログを通じて知り合った主人公とヒロイン。メールのやりとりで意気投合した2人は、実際に会って話すことになったが、しかし、web上でのやりとりとは違い、ヒロインの言動がチグハグ。理由が分からずイライラする主人公だったが、実は、ヒロインは難聴で...と言うお話。健聴者の主人公と難聴のヒロインの、恋愛物語です。
取り扱っている題材は少し重めですが、お互いの「難聴」への向き合い方から擦れ違う2人の関係に、ヤキモキしながら読めて、とても面白かったです。
「自分は気にしない」と言っても、「相手が気にしない」とは限らない。この辺が擦れ違いの中心にあった核なんでしょうか。コミュニケーションが大事だと言う事は、実生活上、様々なシーンで聞く言葉。壁が大きければ大きいほど、一層大事なんだなぁと、至極当たり前の事を再確認させてくれた作品でした。大満足。