リバーシブル 1

今月デビューの新人さん・その3。第9回角川学園小説大賞・奨励賞受賞作です。
リアルなロボットシミュレーションゲーム「マスケラ」。主人公は非合法に入手したそのゲームを、友人たちとこっそりと楽しんでした。しかしある日、そのゲームメンバーの1人が姿を消した。どうやらこのゲーム、ただのゲームではないようで...。
こんなお話。ヘッドマウント型のPCを使い、仮想世界の中でロボットを駆って楽しんでいたゲームを巡って、事件に巻き込まれる形で話が進みます。
ヘッドマウントPC「調停者」を介した出来事や会話と、現実世界での話が入り乱れていて、どうにも読み辛かったです。特に終盤は頻繁に状況が変わるものだから、ついていくだけで精一杯。加えて、色々と詰め込んでるような印象もあって、あんまりテンポが良くなかったように感じたり。
ゲームと現実の関係は少し想像と違ってました。てっきり、『エンダーのゲーム』のような関係かと思っていたのですが。あれだけ失敗しても何事も無かったんだから、違って当然ですね。それ程外れてはいないけど...。
今回はゲームの話に終始した内容でしたが、ヘッドマウントPC「調停者」にも大きな謎が隠されているようで、キッチリと伏線が。この続きには、ちょっと興味があります。次の巻に期待。