骨王 1

今月デビューの新人さん・その2。第9回角川学園小説大賞・優秀賞受賞作です。
あるウィルスに脳細胞まで侵され、人に害なす存在となった「ミミック」。同じウィルスに侵されながらも脳は人のままであり、「ミミック」と同じ力を持つ「複合体」が「実行要員」として、その処分を行う、と言うお話。中学生の主人公は、大切な人の不審な死を追う過程で、この争いに巻き込まれて...と言う形で話が進みます。
序盤、時間軸が少し乱れててとっつき辛かったのですが、途中からはそれ程でもなく。ウィルスを話の核に持ってきて、腕から骨を模した剣が生やして敵と戦うと言うのは、THORES柴本のイラストも合わさって結構格好良いのですが...あんまり盛り上がりきらないなぁと言う印象を受けました。
雰囲気が非常に暗いのは良いのですが、クライマックスも淡々としている気が。主人公に与えた影響を見れば、大きな山場だったはずなのに、キャラの魅力がイマイチ響いてこなかったので、あまり盛り上がるように感じられなかったのかもしれません。
タイトル通りこの巻は1巻のようで、次に繋がる伏線はチラホラと。この辺を使って、次の巻ではもう少し盛り上がる展開を期待したいところです。