悠久展望台のカイ

今月デビューの新人さん。第2回ライトノベル新人賞・佳作受賞作です。
世界の始まりから終わりまで、その全てを永遠に観測し続ける存在「カイ」。普通はその存在を感知できないはずの彼に、ヒロインである高校生の依泉子が気付き、そこから恋が始まって...。
こんな感じでしょうか。ヒロインとカイの相容れない存在同士の恋愛を軸に、もう一つ、許されざる恋と親愛の情の間で苦しむ少女の話を絡めて進む物語は、切なさ一杯。エピローグ直前の出来事には思わず「は!?」とビックリさせられましたが、最後は綺麗にまとまって良い感じでした。
カイとヒロインの関係が許されないものだ、という部分の説明はもう少し欲しかったかも。2人の未来が急に閉ざされていくような展開は、ちょっと唐突な印象を受けました。出会いが唐突なのは良いんだけど。
ところでこの作者、まだ高校生みたいですね。高校生でデビューとは、すげーなぁ。最近では日日日ぐらいか? 今後にも期待。