虚構の勇者

1月にデビューした新人さんの新刊。魔王を倒し、自らが新たな魔王として世界を統一した元・勇者であり、現・魔王かつ皇帝な少女サラと、勇者との戦いに敗れ力を失った元・魔王ラジャスのお話、第2弾です。
今回は、現・魔王に対する、現・勇者が存在するのではないか? と言う噂から、勇者探しをする展開。その筆頭に挙げられたのは、元・魔王で...と言う形で話が進みます。
今回サラの出番は少なく、ラジャスがメインなんですが...それでも所々に描かれているサラの心情がとても良いです。この物語、話の中心にはサラとラジャスの恋愛? があるんですが、サラの方が一方的に想っているだけで、ラジャスの側は彼女の実力を認めている程度に過ぎない訳で。さらに、お互いの立場は魔王にして皇帝と、元・魔王にして現在は皇帝の家臣。どうやっても表沙汰には出来ない想いで揺れるサラが、本当に良い味出してます。この巻の終わり方をみると、次の巻ではサラとラジャスの話がもっと読めそうだし、楽しみだ。
後良かったのは、新キャラのティアカバンが面白い。強気なんだか弱気なんだか...コロコロと変わる表情が読んでいて楽しいです。さらに、あとがきでもちょっと笑った。...リリカルまじかるな魔法少女? Take a shot? あー水樹奈々ファンですか。若いなぁ。