ぼくと魔女式アポカリプス

結界師のフーガ』の作者、水瀬葉月の新シリーズ。
かつて様々な魔術種が繁栄したものの、現在その全ての種は滅亡した。しかし各種族の最後の生き残りは、他の種族が持つ力を取り込む事で己の種族復活を企んでいた。彼らは人間に力を与える事で自分の代替魔術師として戦わせる。高校生の主人公は、ふとしたキッカケでそんな世界に足を踏み入れてしまったのだが...。
こんな感じ。代替魔術師として戦うヒロインと、突然そのの争いに巻き込まれる事になった主人公のお話です。
何種類か魔術師が出てきますが、どれも分かりやすい設定でサクサクと読めるのは良い感じ。話もそこそこ盛り上がるし、普通に読めました。微妙に暗い雰囲気の展開はそれほど好みじゃないんですが、個人的には『結界師のフーガ』より、こっちのシリーズの方が好きです。
また随分とあざといキャラ配置に、作者の必死さを感じたのは自分だけでしょうか。特に主人公の妹がなー。兄の呼称がなかなか斬新。既存の呼び方からたった1文字削っただけですが...あえて普通の呼び方をしない辺りに、何かを垣間見た気がします。
しかし美味しいポジションにいたキャラが、この巻で退場してしまったのが残念。この先、話を盛り上げてくれそうな雰囲気があったキャラだけに、余計に残念でした。また、伏線の張り方には、一捻り欲しかったかと。終盤、話が二転三転するところではコロッと騙されてたりするんですが...綺麗に騙されたなぁと言う実感が無かったし。
ただ、つまらなくは無かったので暫く買い続ける方向で。結末まで読めるといいなー。