青の聖騎士伝説 1,2

ハードカバーで刊行された、深沢美潮の作品。2冊まとめて読了。電撃hp等に掲載された短編に、書下ろしを少し加えたものです。
フォーチュン・クエスト』で御馴染みのクレイの曽祖父、後に「青の聖騎士」と知られるようになるクレイ・ジュダと、邪悪な魔法使い・グラシェラを倒すために鍛えられた、シドの剣の話。トラップの曽祖父も出てくるけど、こっちはそれ程メインでは無く。あくまでクレイ・ジュダのお話です。
個人的は、クレイ・ジュダが「青の聖騎士」と呼ばれるようになるエピソードが語られると思っていたので、予想とは全然違う内容にちょっと戸惑いました。完全にフォーチュンやデュアンの外伝扱いになっているのが残念ですが、フォーチュン好きとしては、これはこれで。
表紙や装丁から、重厚な内容になっているのかと思いましたが、そこは深沢美潮。極端に重苦しくなる訳も無く。もうちょっと重い雰囲気の方が良かったかなぁと思いましたが、非常に読みやすかったのは良かった。
内容ですが、グラシェラの陰に潜む闇魔を通して、『青の聖騎士伝説』も『デュアン・サーク』も『フォーチュン・クエスト』も、全てに通じる線が描かれた感じ。特にフォーチュンの本編で出てくる、謎の行商人の正体が完璧に明らかになってました。フォーチュンの1巻を書いた時点で、どこまで考えていたんだろ。今の所、伏線を後付けした時に感じる矛盾みたいなものは、全然無いような気がするんですが。最初から全部考えていたとも思えんしなぁ。
しかし...デュアンは心配する必要ないけど、フォーチュンのパステル達には、闇魔はあまりにも強大すぎる存在ですが、今後どんな風に立ち回っていくんですかね。やっぱり、クレイのシドの剣頼みになるのかなぁ。