神様ゲーム

今月デビューの新人さん・その二。
ある日、世界の創造神が人類に対してゲームを持ちかけた。曰く、隠れた自分を見つけて見せろ。しかし、隠れる範囲が広すぎてなかなか見つけることが出来ない人間に業を煮やした神様は、「叶野学園と言う高校内のみに隠れる」と範囲を狭める。その代わり探す人間は学園の生徒のみ、しかもリミットは一ヶ月。期限までに見つけられない場合、地球が崩壊してしまうと言う。学園の生徒会メンバーは、このゲームを受けて早速神様探しを始めるが...。
主人公である秋庭多加良は、土地神と「他人の願いを叶える手助けをする」と言うゲームも行っており、世界の創造神と行う「叶野学園の生徒として紛れ込んだ創造神を探し出す」と言う二つのゲームが密接に絡み合いながら話が進んでいくのですが...良い。これは良い。とても面白かったです。
正直誰が神様なのかは、一章読めばすぐに判ることなんですが...結末が分かっていても、そこに至るまでの過程が非常に良かったです。どのキャラもしっかり立ってるし、行動力と実力を兼ね備えた主人公の立ち居振舞いが読んでいてとても気分が良い。とにかく主人公の魅力で作品全体が引っ張られている感じでしょうか。ともすればただの自己中なりかねないようなキャラなんですが...そうならないように、しっかりと書き込まれているのが素晴らしかったかと。
また微妙に見え隠れしている主人公を巡った恋愛模様も、個人的にはツボ。桑田さんを激しく応援したくなりますな。ラストも、神様が本音を語るところとか、それに対する多加良の対応もスカッとするし...いやー良い作品でした。
シリーズものとして続きそうな結末なので、次巻以降も非常に楽しみです。