海の底

『空の中』に続く、有川浩の新刊。
巨大化したザリガニっぽい甲殻類が海から大挙して上陸するお話。人々が混乱する中で、停泊中の潜水艦に逃げ込んだ二人の自衛隊員と13人の少年少女。街中に何万と言うザリガニがひしめく中、潜水艦に閉じ込められた彼らは...。
こんな感じ。タイトルから想像すると、深海でなんか起こるのか? と思ってしまいますが、ちょっとずつ読んでいこうと夜寝る前にページを開いたのですが、読み始めたら止まらなくなって、結局最後まで読んでしまいました。気付いたら朝の4時だったし。
潜水艦の中で繰り広げられる、子供たちと自衛隊員のやりとりでは、反抗期真っ最中な子供が混ざっていてひたすら険悪なムードが漂います。何か致命的にまずい事が起きるんじゃなかろうかと、終始ヒヤヒヤしっぱなしでした。
また、街では自衛隊の出動および武器使用が認められるまで、警察の機動隊が身体を張って防衛線を築くんですが...熱い。特に自衛隊に引き継ぐ時の展開が熱い。警察の上層部を納得させるために、前線の機動隊にある任務が課せられるんですが、これがもう。目的のためにプライドを捨てて動く機動隊の姿が格好良すぎます。こういう話大好き。
後、ラストのオチは、予想していた通りと言うか、期待通りにになっていたのが嬉しかった。終盤に張られた伏線だと、この結末しかないよなー。綺麗にまとまってるし、良い終わり方だと感じました。
と言うわけで、結構満足な一冊でした。まぁ個人的には、前作の方がもっと面白かった気もしますが...これはこれで、十分堪能できたかと。有川浩の継ぎの新刊も楽しみです。