スカイワード 3

『スカイワード』も順調に3巻目。
ハウリと隣国は、本格的な戦争へと突入。アケルとナナは戦渦を逃れるために首府を脱出したが、逃亡先にも敵の攻撃は迫る...と言った内容。
うーん、壮絶。前巻の後半で巻き起こった戦争が、さらに発展。とにかく戦争なんで、人が死ぬ死ぬ。「おいおい、そこを殺すのかよ」と思わず突っ込みを入れたくなるような殺しっぷりです。凄惨なシーンも多いし、これまでにあった軽いノリは姿を潜め、ひたすらにシリアスな展開が続きます。
アケルが母親に抱く憎しみが、どうにも浮いているように思えてしまいました。生い立ちを考えると憎む理由は分かるけど、思い込みが激しすぎるような気がして、この一点に関してだけはキャラの性格が変わっているように感じます。それほど深い憎しみだと言う事なんでしょうか...。
しかし、ラストのナナはとても良かった。舞巫女姫は八女神の託宣を受ける事ができる。けどナナは受けた事がない。なんか読んでいて、歴代の舞巫女姫もナナと同じ様に悩んで、同じ結論に達したんじゃないかなぁと思いました。みんな重圧に震えながらも決意して、それが代々受け継がれてきた...なんて、勝手な想像ですが。とにかく、これは良いものを読みました。
遂にマゴウが復活して、今後戦争は更に拡大しそうな雰囲気。ハウリには反撃の目処があんまりなさそうなんで、次の巻も暗い内容になりそうな感じがしますが...それでも、アケルとナナの辿る道が気になる。期待して待ち。