終わりのクロニクル 1

今更ながら読んでみました。都市シリーズの作者、川上稔の別シリーズです。異なる「概念」で構成された10の異世界との間に立って交渉を行い、この世界を滅亡から救おうとするお話。
スゲー面白かった。とにかく登場人物たちの格好良さにやられました。主要キャラはもちろん、敵役、果ては名前すら無い脇役にいたるまで。どのキャラも立ち方が半端じゃなくて、読んでいてただただ感嘆するばかり。都市シリーズは巴里を読み終わった後、伯林で挫折。複雑な世界観に理解がついていけず投げてしまい、それ以降川上稔の作品には手をつける気にならなかったんですが...これはホント、良いものを読んだ。
とにかくキャラが魅力的なんで、気に入ったキャラを数え上げてたらキリが無いくらいなんですが...特に気に入ったのは、主人公の佐山。素晴らしい。素晴らしすぎる。真面目な口調で、ブッ飛んだ台詞を吐けば面白く、格好良い台詞はひたすらに格好良い。彼が全竜交渉に携わる決意を固めるまでの過程、そして固めた後の言動、どれをとっても読んでいて惹きつけられました。ここまで魅力的なキャラに出会ったのは何時振りだろうか...最高。
世界観が分かりやすかったと言うのも、面白く感じた一因な気がします。単純な世界観では決して無いけど、都市シリーズに比べれば、随分と分かりやすくて助かりました。後は...これだけ分厚くて、しかも上下巻構成なのに、全然それが気になりませんでした。長いけどテンポ良く進んでるからかなぁ。会話の掛け合いとか、とてもテンポ良くて面白いし。Sfと至のやり取りは素敵だった...。
と言うわけで、貸してくれた友人に感謝感謝。残りは一気に大人買いの予定っす。