へっぽこ冒険者と眠る白嶺

ヘッポコーズ初の長編小説。
ノリスやガルガドがいる、昔のヘッポコーズがメインの話。没落した貴族から宝捜しの依頼を受けて、雪の残るヤスガルン山脈へと向かう一行。途中で立ち寄った村で、目的の遺跡の話を聞いたところ、実は...。
こんな感じ。
リプレイでGMやっている秋田みやび、初の長編小説。面白かった。話はオーソドックスな作りになっているので、意外性はあんまり無いんですが、それを補って余るほど、キャラが魅力的。貧乏で金に飢えていながらも、根がお人好しなので、結局稼げない。それでも喜んでもらえるならそれで良いと考える。この優しい一行が繰り広げる冒険は、かなり心温まる感じがします。
また、依頼人である貴族が、後半かなり良い味出してます。最初は高慢だった依頼人が、イリーナ達と旅をする中で、段々と変わっていく様がとても良い。良くある展開と言われればそれまでですが、魅力的なキャラと相応の文章に支えられた王道は、素直に面白い。終盤の熱さは、本当に素晴らしかったです。
イリーナの重武装イラストは今回も健在。カラー1ページ目の、フル装備イリーナには思わず笑いました。全部装備していると、こんなになるんですね...。また、カラーページの見開き、一見何でもないように見えますが...マウナの影に、イリーナが銛をブッ刺してる巨大な魚が。一瞬気付かなかった...。流石です。
ところで、このイラスト描いている方、はてなで日記書いてるんですね。ついさっき知りました。このシリーズのイラストはかなり好きで、特にイリーナの重武装っぷりをしっかりと描かれているのが、とても気に入ってます...と、こっそり応援。