学校を出よう! 5

谷川流の新刊。
舞台は超能力者だけを集めた、第三EMP学園。ある早朝、部屋で寝ている茉衣子の下に、同級生の少女が駆け込んできた。酷く狼狽している彼女から話を聞いてみると、どうやらルームメイトが死んでいるとのこと。まさかと思い確認に向った茉衣子は、そこで呼吸も脈も無い、一人の少女を見つけるのだが...。
突如起こる不可解な事件。何が起こったかは分かるけど、何故起こったのかが分からない。調べるうちに段々と現れてくる真相。4巻で出てきたパラレルワールド的な部分を、この巻でも上手く活かしているように思えます。ちょっとずつ伏線が張ってあって、嫌でも期待させられてしまう話の作りは素晴らしい。とにかく続きが気になるの一言です。メチャクチャ面白かった。ハルヒの4巻といい、この巻といい、面白い作品を連発してくれるのはとても頼もしいですな。
主役張ってる茉衣子も良いのですが、自分は宮野が気に入ってます。基本的にどのキャラもしっかり立ってるんで、全員魅力的なんですが...宮野がいないと、この作品成り立たないんじゃないだろうか。今回もその変人っぷりは健在。マッドサイエンティスト的気質とでも言えば良いのでしょうか。これでいて抜群にキレるキャラと言うのが、とにかくツボです。こいつが熱く自説を語るシーンは、とにかく面白い。読んでいて飽きないどころか、次にどんな事を言い出す(やり出す)のかと、逆に惹きつけらる。最高。後、今回は真琴も良かったなー。
茉衣子は茉衣子で、宮野に呆れつつも、なんだかんだ言いながら何処かで頼りにしていると言うのが...良いキャラだ。この二人、個人的にはアイザック&ミリアにも並ぶ、ベストコンビ。茉衣子にとっては甚だ不愉快な事でしょうが...事実は事実だ。
死体の正体が分かったときは、ちょっと拍子抜けした感もありましたが、それが些細な事に思えてしまうぐらい、続きが気になって仕方ない。次の巻に完全に続くので、最後まで読むと印象変わるかもしれませんが...詰まらなくなるとは、ちょっと思えない。早く来月にならんかなー。