半分の月がのぼる空 3

かなりお気に入りなシリーズの最新刊。
ちょっとしたことで入院する事になった主人公の少年が、重い病気を患って長期入院している少女と出会って仲良くなるけど、しかし所々に病気の影がちらついて...みたいな話。前巻がツボだったので、かなり期待していたのですが...その期待は全く裏切られる事は無く。非常に面白かった。
前半は学校に忍び込んだり、幼馴染でクラスメートの女の子と話す裕一に嫉妬してる里香とか、その逆とか。里香の担当医とか看護婦の亜希子さんとかも、良い味出してます。基本的にはバカやってる楽しい話なのですが、しかし随所に暗い影が落ちている感じ。今後の展開を暗示していようで、明るく楽しい部分を一層引き立ててます。
そして後半に待ち受ける、ヘビーな展開。一気に奈落の底へと突き落とされるが如くの展開が...いいじゃんそのまま幸せにしてやれよ! と思わずツッコミを入れたくなってしまう。覇気のなくなる里香。里香から渡された本を読む裕一。そして...あー何でこんな事しますか。完璧にやられました。写真の扱いも相当な破壊力でしたが、とにかく後半はツボをつかれるシーンの連発。とても満足な一冊でした。
凄い終わり方をしているので、続きがとても気になります。後どのくらい続くのかは良く分かりませんが、願わくばハッピーエンドを。