トライ・クロス! 3

『トライ・クロス!』第一部最終巻。
強大な力を秘めた魔紋を、全身に持つ少女・フィリーアを巡った争いもクライマックス。遂に現れた大ボス、そして怪獣大決戦。
最初、ちょっと話を急いだ印象を受けました。巻の冒頭でいきなり厄介事に巻き込まれるのですが、その導入が結構強引と言うかなんと言うか。中盤以降は全然気にならないんですけど、それ故最初の部分の強引さが目立っちゃってる気がします。
しかし...剣鬼の性格が変わり過ぎだろ、とか、もっとアネアの出番増やせとか、思う所はあるのですが、その辺に目を瞑っても面白かったです。ラストの決着のつけ方は、非常に友野詳らしい展開でかなり燃えました。キナとかイーゼとかの脇役も光ってたし、なによりウィルが熱い。
シリアスな展開の中にも、どこかユーモラス(決してコメディではない)な雰囲気が漂う。このノリ好きなんです。今回も堪能しました。素晴らしい。これは友野詳の得意な分野だと、勝手に思ってます。ユーモアを強めれば『ファイブリア』シリーズに行き着くし、逆に減らせば『ルナル・サーガ』。この作品は2つの中間ぐらいかなぁ。
これで第一部が終了。第二部も書く予定があるようなので、楽しみに待ってます。