涼宮ハルヒの消失

随分と久しぶりな気がする、ハルヒの新刊。今回は長編です。
クリスマスを目の前に控えた冬の日。キョンがいつも通りに学校へ向かうと、どうも様子がおかしい。ハルヒの事を誰もが忘れ、代わりに教室には「あの女」が。他のSOS団メンバーも、皆キョンの事を忘れてしまっているし...。
こんな感じ。突如としてハルヒがいない世界で目を覚ましたキョンが、どうにかして元の世界へと戻ろうとするお話です。最初本を手に取った時、表紙の絵の人間が誰だか判らなかった。まさかこの人が再登場するとは。
とても面白かったです。『ハルヒ』シリーズの中で一番好きかも。普段は冷めてるキョンが、なんとかしようと足掻いている姿が熱くて面白い。元々この作品はキョンの語りがそのまま地の文になっていて、自分はこのスタイル、かなり気に入ってます。んで今回は完全にキョンが主人公なので、いつもより力はいってたように感じられてグッド。後、有希さんがツボ。作中でキョンも言ってるように、とてもベタな展開だけど...それが故にストレート。入部届。赤らむ頬。最高です。途中の有希さんも良かったけど、ラストの有希さんが特に良い。参りました。
しかし...ハルヒの出番が少なかったのも、個人的には好印象の一因じゃないかなと思ったり思わなかったり。ヒロイン捕まえて何言ってんだ、と言われそうですが...実はあんまりハルヒが好きじゃなかったりします。あのどこまでも我儘な性格に、どうも馴染めない...。いなきゃ話が始まらないのは、よーく判ってるんですが。
読んでて先が気になるぐらい、満足できた一冊でした。続きにも期待大。