新本格魔法少女りすか

西尾維新の新刊。『ファウスト』掲載分が2本と、書き下ろしが1本収録。
魔法の王国「長崎」からやってきた魔法少女りすかと、りすかと同い年の普通の人間・供犠創貴が、魔法が原因で起こった事件を解決していく話です。けど、それなりにミステリーっぽいのは最初の1本だけ。それも簡単に犯人わかるし、残りの2本はミステリーでもなんでもないし。
1本目は「ファウスト」で読んでいたので、新しかったのは2本目と3本目。2本目は微妙。3本目はそこそこ。2本目の後味が悪すぎ。西尾維新の作品で、容赦なく人が死んでいくのは別に珍しくもないと思いますが、個人的には好きじゃない。供犠創貴の高慢な性格を好きになれなかったあたりも、微妙と感じてしまった理由の一つでしょう。3本目は、そんな供犠創貴がかなりボロボロになるんで、少し気が晴れた。
この作品で維新初体験だった人は、ちょっと辛い気がします。これに比べりゃ『きみぼく』の方がマシだし、それよりは『戯言シリーズ』の最初の頃の方が面白い。巻を重ねる毎に微妙さが増していっている気がしてなりません。今後がちょっと心配です。
ところで、うえお久光西尾維新が似ている、と言うのは『戯言シリーズ』読むとそんな印象が。最初『クビキリサイクル』読んだとき、コウといーちゃんが似ていると思った記憶があります。性格は違うけど、キャラから受ける印象が似ていると感じました。しかし、どっちの作品も回りくどい言い回しが多いんですが、その回りくどさの質って全然別物。だから、作風が似ているとは思えないんだよなー。ちなみに、自分はうえおの方が好きです。