Mew Mew!

成田良悟の新刊。『バウワウ!』の続編?
舞台は佐渡島と本土を結ぶ巨大な橋の中間に浮かぶ人工島。開発が頓挫し無法地帯となったこの島は、現在東と西で別の組織が支配していた。主人公・砂原潤は、その東側に住む女の子。しかし、その正体は...。
こんな感じの導入。ほとんどあらすじになってないけど、これ以上書くとネタバレを避けれません。この作品については、ほんの些細なネタバレも避けて読んだほうがいい気がします。
『バウワウ!』と同じ世界で、結構続編っぽい感じで書かれてました。別に『バウワウ!』読んでなくても楽しめるけど、読んでた方がより面白いのは必至です。次の巻では、今回名前しか出てこなかった葛原とか、前巻の主役である「犬」どもも出てくるみたいだし。
主人公である潤が「猫」なんですが、この「猫」の「爪」が...「爪」が...最高です。まさかこんなもんを「爪」にするとは...。最高。とにかく最高。猫が爪を剥いた時の豹変っぷりもたまらず、読んでて思わずにニヤてしまいました。と言うのも、この「爪」には少々思うところありまして。昔やったTRPGで、こんなもんをGMに持たされたような記憶があったりなかったり...。そんな思い出もあって、この作品の設定はかなりツボです。このキャラの立ちっぷりは素晴らしい。
普段の成田良悟作品と比較すると、視点となるキャラクタの切り替わりがあんまりなく、割と素直な構成です。登場人物も若干少な目? おかげでかなりまとまった雰囲気があって、読みやすかったです。いつもの視点がぐるぐる回るのもいいけど、たまにはこういった感じの話も良い。とにかく面白かった。
『バウワウ!』とどっちが面白いかと言われれば、個人的にはこっちです。とにかくこの「猫」がツボ。こいつが出ているだけで、『バウワウ!』より『Mew Mew!』。葛原さんとかも好きなんですが...この「猫」には勝てんって。
次の巻では、「犬」と「猫」が競演するのか? それとも葛原 vs 鼠の親玉? ケリーさんに出番はあるのか? なんにせよ、「犬」が絡んでくるのは確実? いや、非常に楽しみです。