天国に涙はいらない 10

随分と久しぶりな佐藤ケイ新刊。しかし内容的に、久しぶりでもなんら問題なく読めるのは、忘れっぽい自分にとっては嬉しい所です。
日本へと赴任してきた小悪魔「ペディ」。自分を召喚してくれる人を探している時、ふとした事から「たま」と知り合う。過去自分の妖気せいで不幸になった人々に、何らかの償いをしようと妖気の制御特訓している「たま」を上手い事言いくるめ、その妖気を使って善からぬ事をたくらむペディだったが...。
こんな話。いつもに比べると、ちょっと勢いが無かったような気がします。
今回のヒロイン? であるベティ。腐女子と言う設定なのですが、あんまりそれが活かされてないような気がします。このシリーズ、毎回一人ゲスト的なヒロインが登場します。それが巫女さんだったり魔女っ子だったりして、アブデルが熱くその属性に対する思いを語ってくれるのですが...今回は腐女子。流石のアブデルも、この属性はお嫌いのようで。いつもの語りはあんまり読めませんでした。アブデルがどんな風に語るのかを結構楽しみにしていたのですが...残念。
また、ペディじゃなくてたまが中心の話で、ゲストヒロインの影が薄かったような気が。まぁ、たまの話はそれなりに面白く読めたので、これはこれで良かったのですが。せっかく出てきたんだから、もうちょっとペディの話を読んでみたかった。それとも、ひょっとして準レギュラー化するんでしょうか。してもおかしくない雰囲気だったしなぁ。
しかし、なんだかんだでもう10巻。全く話の行方が分からないのですが...。