殿様気分でHAPPY!

『手のひらのエネミー』に続いて、電撃でも新刊。
世界を『歪み』から守っている、結界の民。数ある家の中でも、それなりに名の通った家の次期当主である一馬は、しかしろくに能力を持たない、落ちこぼれであった。学校でも『ど変態』『覗き魔』等の異名をとるほどの、外道っぷり。しかしそんな彼がある日、強力な権力を手に入れた...!
こんな話。落ちこぼれが突如として力を得る。ここだけ見ると、『手のひらのエネミー』と同じですな。実際似てます。タイトルと表紙絵を見たときは、すんげー軽いお馬鹿な話だと思っていたのですが、実際にはそんな事も無く。ノリが軽いのは軽いのですが、思ったよりもずっとシリアスしてて面白かったです。
『手のひらのエネミー』みたいに、コメディとシリアスが噛み合ってないような感じは受けなかったのも好印象。コメディが滑ってないのが大きいかと。キャラクタもしっかり立ってるし、ラストはきちんと盛り上がるし。結界が覆ってるのは日本だけとか、『歪み』とやらの設定には少々疑問が残ったのですが、それほど気になるものでもないので、普通に楽しめました。
ところで、なんか続編書けそうな終わり方してるんですが、どうなんだろ。個人的には続いてくれると嬉しいかも知れない。