レディ・ガンナーと二人の皇子

レディ・ガンナーシリーズの最新刊。前巻からきっちり1年ぶりの発売です。
動物と人間の両形態をとることの出来る種族、異種人類(アナザーレイス)に多く友人を持つ令嬢、キャサリンは隣国の国王の訃報を聞き、外交官である父と共にエルディアに向かう。『郷に入っては郷に従え』、分かっていてもその国の風変わりな風習に納得のいかないキャサリンは、そんな中とある少年と知り合う。その無礼な物言いに怒るキャサリンだったが、実はそこに陰謀の影が...。
こんな話。このシリーズは普通に良作揃い。好奇心旺盛だけど、まっすぐな性格のキャサリンは読んでいて爽快です。特に今回はむかつくお坊ちゃまとその執事相手に、一歩も引かずに立ち向かう。ホント読んでて気持ちが良い程の啖呵の切りっぷりです。キャサリンと共に魅力的な存在であるアナザーレイス達は、今のところそれほど出番はないのですが、この先大きく話に絡んでくることは間違いなし。次巻ではダムー達も存分に活躍するだろうし、楽しみです。
今回は上巻なのですが、この終わり方にはやられました。くそー、よく考えれば分からない展開ではなかったはずなのに。と言うか、思いついて然るべき展開だったのに。あーなんか無性に悔しい。で、下巻は秋ですか。いや、待ちます。最近は刊行ペースが早い作家さんが増えてますが、一昔前なら半年で1冊出れば御の字だったのですから...。
しかし内容は面白かったのでですが、イラストは...表紙やカラーの口絵はともかく、中の挿絵はなぁ。オーフェンの終わりのほうもこんな感じだったような気がしますが、草河さん疲れてるんでしょうか。