麒麟は一途に恋をする

志村先生の新シリーズ? かと思っていたけど、実際にはなんか月花の続編っぽい。舞台は月花の時代から11年後の世界です。てっきり新しい物語だと思って買ったので、これは拍子抜け。
星獣と呼ばれる主人公が、人間を滅ぼそうとしている他の星獣から、自分の想い人であり、かつ人類存亡の鍵を握る少女を守る話。タイトルを見たときは、「麒麟? なんかの比喩かな?」なんて思ってたんですが、甘かった。ホントまんまストレートにタイトル通り、主人公は麒麟で、それが惚れた女を守る話です。
あとがきで作者は、「月花とは微妙に繋がっている」と書いてますが、とてもそうは思えない内容になってます。あまりに状況説明が少ないので、月花読んでないと微妙な気がする。
肝心の中身ですが、まぁこんなものかなぁと言った所。月花が微妙だった自分としては、それほど期待していなかったというのもありますけど。ほのぼのしたシーンと残酷なシーンをなんのためらいもなく混ぜるあたり、作者らしさが出ている気がしました。世界設定と戦闘シーンで大半が占められているので、どうにも評価し辛いですけどね。今後の展開次第な感じ。
ただ、書き下ろしの特別編はそれなりに面白かった。と言うか、この話の後に待つだろう展開を思うと、わくわくする。特別編なんて銘打たれてるし、内容もまんま月花の続編なので、続きが書かれるかどうかが微妙なのが非常に悔やまれます。
お願いです、書いてください。本編の続きよりも、こっちの方が気になってしまう...。