先輩とぼく 沖田雅 / 電撃文庫

第10回電撃ゲーム小説大賞・銀賞受賞作。入れ替わりものです。
ある日、主人公、山城一とその先輩、平賀つばさはUFOウォッチングをしていたところ、そのまま宇宙人にさらわれてしまう。UFOの中でアブダクションされてしまう2人だが、なんとその際、脳みそを入れ替えれてしまった! そんな2人が送るラブコメな話。
いや、笑った笑った。「護くんに女神の祝福を!」のようなラブコメに、「ドクロちゃん」バリのパロディと言うか小ネタ。すげー美少女だけど変人なつばさは、言うなれば女版水前寺。ソコまではぶちきれてはいないけど、似た系統の人物です。一方のはじめは、先輩一筋な護くんって感じ。
この2人が中身入れ替わってラブコメと言うか、ラブ&コメディを繰り広げる展開。ドクロちゃんほど直接的ではなく、もうちょっと洗練された形で出されるパロディは、捻ってある分こっちの方が面白い。また登場人物の一人である、川村の存在も良し。口絵の部分にこいつが語っているシーンが書かれているのですが、ムッチャ笑いました。あとがきでは否定しているけど、作者の思うところがモロに反映されてる気がします。
ただ前半は、この辺のギャグと入れ替わりの影響がうまく合わさって面白いのですが、後半にいくに従ってテンションダウンと言うか慣れてきて面白くなくなっていく感じがしました。前半面白かった分、これは少し残念。後半にももうちょっとメリハリが付いてると良かったんだけどなー。
あとがきにある驚愕の事実、「2巻でお会い出きたらと思います」。続くんですか、これ? この終わり方をしておいて続けるとなると、ギャグに走るかラブコメに走るかだと思うんですが...。入れ替わりの決着がついている以上、このネタで引っ張るのは難しくね?
まぁその分、どんな展開をこの先見せてくれるのか期待できる、とも言えるわけで。どうするのか、少々楽しみ。