悪魔のミカタ 11 It/ザ・ワン うえお久光 / 電撃文庫

速筆家といえばこの人。1巻発売が去年の2月ですよ。大体2ヶ月に1冊のペース。素晴らしい。
今回は前巻のラストを受けて、そこから始まる物語です。しかもやたら分厚いくせに前後編の前編。読み応えたっぷりでした。
肝心の中身ですが、予想してたよりずっと良かったです。前巻で吸血鬼なんてものが出てきたときにはどうなることかと心配してたんですが、面白い物に仕上がってると思います。まだ前編なんで、最終的な評価は後編待ちということになりますが。
簡単に書くと和歌丘に降り立った吸血鬼が、町の人間を片っ端から吸血鬼化してしまい、それになんとかして抗おうとしている小学生のお話です。コウなんて名前だけしか出てきやしない。コウに限らず、他の主要メンバーの中で出てきたのは、今回主役? を張ってるサクラと、最後にちょっとだけイハナが出てくるだけ。
代わりに主役を張ってるのが、『三鷹昇』という小学生。町じゅう吸血鬼だらけの中で奮戦する姿は良かったです。なんて言うか、将来大物になるんだろうけど、今現在はちょっと賢いだけの子供って言うあたりがツボです。成長過程の超人の足掻きを見ている気分。どうしても果たさなければならない目的があるのに、今の自分では力が及ばない。それでも何とかしようと頑張る姿は、読んでいて楽しかった。
次巻後編には相当期待。楽しみにして待ってます。...しかしミカタっぽくないと言えばミカタっぽくないストーリーだよなー。知恵の実どこいったよ?