ハーモナイザー・エリオン ツキをつかんだ? 魔法使い 吉村夜 / 富士見ファンタジア文庫

エリオン2巻。金儲けのために魔法使いになったのはいいものの、稼ぐどころか借金に追われる主人公のお話。
主人公は調和術専門の魔法使い。調和術ってのは、魔物と契約を結び、報酬を払う代わりに力を使ってもらう術の事。主人公はすんげー力を持った魔神と契約を結んでるんだけど、払う報酬もすんげーんで滅多にその力を使えないと言う、なんとも微妙な魔法使い。前巻でのちょっとした活躍が、王様の耳に入ってそのまま宮廷魔術師に取り立てられるところから始まります。
金にがめつい魔法使いなんて言うと、真っ先に浮かんでくるのはかのリナ=インバースなわけですが、あれとは全然タイプの違う守銭奴ぶりが読んでて面白い。本人自体にはなんの力も無いので、リナみたいに傲慢に出ることが出来ないんだけど、けど決して卑屈になる事なく振る舞っているのがカッコいい。
「金は力、力は金」なんて台詞は普通なら金持ちの嫌味にしか聞こえないんだけど、この主人公が言うとなんか納得できてしまうんだよね。不思議。