学校を出よう! 2 I-My-Me 谷川流 / 電撃文庫

この前デビューしたと思ったら、もう2巻。最近の作家さん達は、ずいぶんと筆の早い人たちが多いようです。良い事ですね、内容がついてくれば。
さてさて、テンポはいいけど印象に残らないと、評判のこの作者。本当にその通りです。あまりにも印象に残らなかったようで、2巻の最後まで、具体的に言うと、1巻で出てきたデコボココンビが出てくるまで、1巻と2巻の主人公が同じだと思ってました。別人だったんですね。読んでてなんか、『主人公ってこんな性格だったっけ?』と不思議に思ってたんですが。

今回のテーマは『時間』。3日前の世界と、3日後の世界からそれぞれ主人公が『現在』にやってくる。しかも未来からきた方は、手に血にまみれたナイフを持ったままやってきて、さらに部分的に記憶喪失。一体何が起こったんだ?と謎を解いていくお話です。
ライトノベルで時間物を読むと、どうしても『タイムリープ』と比較してしまう。話の構成は『タイムリープ』の方がうまいと思う。『タイムリープ』の時間移動はかなり斬新なアイデアだと思ったけど、この本の時間移動は特別新しい概念はなくて、良く使われているものをそのまま使った感じ。
けど、だからと言ってつまらないわけではなく、むしろ面白かったです。正直1巻よりも2巻の方が良い。より読ませる文章になったというのかな。キャラクタで売ってた感が強かった前巻とか『涼宮ハルヒの憂鬱』とかに比べると、キャラは弱いけど、その分地の文章の魅力が湧いてきたと思います。
次も期待。