スイート☆ライン 5

若手美少女声優5人によるユニット「スイート☆ライン」の立ち上げが目の前に迫る。順風満帆に思えたユニットだが、落とし穴が待っていて...と言う展開。遂にシリーズ最終巻です。

面白かったです。色々と1冊に詰め込まれ過ぎていて、凄く急いだ印象が残る所は残念でしたが、最終巻らしく山あり谷あり。ラストに向けての盛り上がりと、辿り着いた結末が素晴らしかったです。
スイート☆ラインの危機は前から伏線が張られていたのですが、その危機が予想と違う形で訪れた事にビックリ。もっと深刻...と言うか、大きな事件が降りかかるのかと思っていたのですが、実際には大小様々な要因が重なりあっての事。タイミングの悪さに頭を抱えそうになりましたが、でもよくよく考えると単なる偶然ではなく、各メンバーの抱えている問題が、スイート☆ラインのデビューと言うきっかけで表に出てきただけの事。ある意味必然だったようにも思えました。この事があったからこそ、全員が全員、さらに前を向くようになった事が素晴らしいと感じました。
そんな力の原動力になったのは、何をおいても主人公の存在。自分自身が出来る事は限られていて、頑張っている人を応援する事、困っている時に力になる事。自分に直接助ける事が出来なければ、助けてもらえる人を探せばいい。皆が十全に輝ける下地を作るために文字通り奔走して、色んな人を説得して、巻き込んで、最後には大きな力とする。文字にすれば簡単だけれど、これを成し遂げられるのがどれだけ凄い事か...!! 半端無い主人公でした。特に、永遠から離れる決意を決めた時。本当に皆の未来を愛しているんだな...と、思った瞬間でした。
恋愛方面は結局決着まで至りませんでしたが、これだけ魅力的なキャラが揃っていると、選べないと言うか選ばないというか...。表に出てきているのはメインヒロインたちばかりだけど、主人公に惚れた人はぜっっっっっったい他にも無数にいると思う。放っておくと泥沼になりそうな予感がしますが、この主人公の事。それすら上手く切り抜けていく事でしょう。

こんな感じの最終巻でした。最初から最後まで楽しめて満足なシリーズで、読んで良かった。ありがとうございました。