東京レイヴンズ 7

シリーズ新刊。陰陽塾に対する襲撃を退けた前巻。そこで見たハイレベルな術競べに感化され、何かが変わっていく春虎。そして始まる、双角会への一斉捜査...と大きく話が動いた1冊。

物凄く面白かったです。主に春虎の成長に重点がおかれた展開でしたが、序盤に引かれた伏線を、後半で一気に終息させる展開が素晴らしかったです。序盤から前巻で目に焼き付けた呪術戦を思い返しては、それを掴みきれずにもどかしそうにする春虎。それを、再び訪れた危機と護りたいと思う存在のために殻を破って羽ばたく。こんな熱い展開を読まされて、面白くない訳がない。最高でした。

話としては、春虎たちが自分達で集めた情報の数々、そして双角会への捜査で、色々な事実が明らかに。双角会の方は、マジで!? と叫びたくなるような情報だらけですね。そんな単純な組織ではないと思っていたけど、これは想像以上。春虎達の手に入れた情報もあるし...本当に話が一気に進んだなぁ。

そして個人的には京子の行く末が心配です。倉橋の娘として、実力者ではあるものの、それ以前にまだ一人の子供。凄惨な状況に直面させられ、気丈に振る舞うものの限界で。本当にギリギリのラインで保っていた正気が、最後の最後で折れる。思わず飛び出してしまった一言。それが今、どれだけ彼女を苛んでいる事か...。言葉って力の有無なんて関係なく、ただそれだけで呪いだと言う事を痛感させられます。夏目も辛いだろうけど、2人供とも何とか立ち直って欲しい。
こんな感じの1冊でした。良い所で終わっているので、続きが激しく楽しみです。