織田信奈の野望 8

シリーズ8冊目。京に到達した信奈の次の目標は西方。毛利と播磨を挟んで睨み合う中、黒田官兵衛が士官してきて、播磨攻めへと主人公と共に送られる展開です。
相変わらずの面白さで満足。遂に毛利との対決です。『信長の野望』を遊ぶ時は毛利を使う事が多かったので、出てくる武将や地名が馴染み深い。黒田官兵衛が才能を拗らせた美幼女になってたり、毛利の隆景と元春が美少女化されていたりと、自分の記憶と全然違う形で現れた時のギャップが面白いです。
しかし、この辺の時代の歴史は全くと行って良いほど知りません。なので、展開が全く分からなくてハラハラしっぱなし。信奈を本能寺で死なせないよう、未来を変えようと努力をしてきた主人公ですが、歴史は簡単にかわるものじゃない。本来の流れに戻そうとする揺り返しの影響で、自分の知っている史実からはどんどんズレていく。でも、それでも未来を変えようとあがく主人公の姿が格好良いです。加えて、主人公は目に映る人が不幸になる事を良しとしない。山中鹿之助が死ぬ未来も、竹中半兵衛が病に倒れる未来も、全部全部拾おうとする。この優しさは無謀なのかも知れません。信奈1人の未来すら変えられるか分からない状況なんだし。でも、ここで見捨ててしまったら絶対寝覚めが悪い。どれだけ格好悪くても、全部を拾える道を探し続ける主人公が好きです。
京と播磨、距離が離れてしまった信奈と主人公。その距離に比例するように厄介事が大きくなっていますが、ここが踏ん張り所でしょうか。次は本格的に毛利との衝突? 何とか乗り越えて欲しい。楽しみです。