わたしと男子と思春期妄想の彼女たち 4

Book

男子の妄想の中の彼女を見る事が出来るコンタクトを手に入れたヒロインが、己の恋に奔走するお話の最終巻。遂にシリーズ完結です。

最高に面白かったです。本当に素晴らしい青春ものでした。長年思い続けてきた最愛の人･高柳くんに妄想彼女が生まれ、ショックを受けたヒロイン。さらに、高柳くんの親友で、自分も友達だと思っていた佐島くんから告白され、心が揺れ動くヒロイン。沢山の友人に支えられつつ、最後は見事なハッピーエンド。甘酸っぱさとほろ苦さ、そして青春らしい熱。様々な感情が絡み合って、絶妙な面白さでした。大満足。

特に、揺れる気持ちを叱咤激励し続けた利沙が格好良かったです。自分も高柳くんの事が好きで、ヒロインは恋敵なのに、それでも親友として接し続けた心の強さには感服します。心底格好良いと思いました。
また、佐島くんと高柳くんの関係も良かったです。高柳くんがとある女性の写真を持ち歩いている事、その事実に怒り、長年秘めていた自分の気持ちを表に出しての告白。それも正々堂々、決して抜け駆けが目的では無い。高柳くんにはキッチリと筋を通すし、それを受けての高柳くんも心が決まって背筋が伸びる。子供っぽさの残る、男同士の友情も良いですね。
沢山のクラスメイトや、リサを筆頭とした妄想少女達。良い友人達に怒られたり背中を押されたりして、迷いながらもたどり着いたこのラスト。本当に良い物を読ませて貰いました。ありがとうございました。