ff 3

家庭教師として雇われた先は、妖精のお嬢様。特殊な瞳を持つ主人公が、妖精と人間が絡み合った出来事に巻き込まれていくシリーズ・3冊目。これにて完結です。

最終巻と言う事で、全ての謎が次々と明らかになっていく展開。しかし、急ぎ過ぎているような印象もそれほど受けず、綺麗にまとまっていると感じました。派手過ぎずしかし地味過ぎず、読んでいて冴木忍作品だなぁとしみじみ思える、良いお話でした。
主人公の、死んだ叔母と父親の過去と、妖精の世界で起こっていた騒動。強い想いから起こってしまった、哀しい出来事の真実が切ない。皆がもう少しずつ、自分の気持ちを正直に口に出来たら...と思うと、何とも言えない気分になります。主人公が怒ったのも無理は無い話。でもそんな過去を知った主人公達。この先、同じ様な過ちを繰り返すような事はしないでしょう。幸せな未来を掴んで欲しい、そう思うラストでした。