ライジン×ライジン

第23回ファンタジア大賞・大賞&読者賞W受賞作。
特殊な異能を持つ人間「ストレンジャー」が生まれるようになった世界。主人公はいつしか能力に目覚める! と妄想に妄想を膨らませている高校生。ある日、本当に能力に目覚めたが、その力は相当に微妙なものだった。さらに主人公の監視として、子供の頃に離ればなれになってしまった幼馴染がやって来て...と言うお話。

主人公の能力が一風変わった異能力バトルもの。話の展開だけを見れば、弱い力を持った主人公が、同じように微妙な能力を持ったサブヒロイン達とチームを組み、異能力犯罪者を取り締まる...と言う展開で、特に変わった所は無いのですが、とにかく主人公の異能がおかしい。なんと、「白く濁ったゲル状の液体を、身体の好きな所から噴射出来る」です。下ネタ方面にしか想像が行かないのですが、ヒロイン達を始めとした作中の登場人物の殆どが同じ発想なので、間違ってはいないのでしょう。何か特殊な力が眠っている液体なのかと思いきや、最後まで読んでも特に凄い力がある訳でも無く、本当にそのまんま。異能ものは数多く読んできましたが、ここまでしょーもない力は初めてお目にかかったかも知れません。
話としては、この巻は能力見せと世界観の説明が主で、あまり話が進んだ感じはしませんでした。しかしそれでも、気が付けば主人公周辺が完全にハーレムと化しているのはどういう事...。チームメイトの2人はいつの間にか落ちてるし、幼馴染は素直じゃないだけで最初から落ちてるし、主人公達のサポートをする組織の女性までも。こっちの方が異能力っぽく見えたのは自分だけ?