絶対服従カノジョ。 1

Book

第23回ファンタジア大賞･銀賞受賞作。
高校に上がって最初の始業式、突然式を無視して主人公を指さして騒ぎ出した少女が現れた。周囲の人間はそれを不思議がる様子もなく、少女に従って主人公を囲もうとする。実はこの少女･マナは人を服従させる魔眼を持っていた。しかし何故かその力は主人公に通じず、何とかして従わせようと、様々な手段で迫ってきて...と言うお話。

ヒロインの可愛らしさが際だっていた1冊でした。人を服従させる魔眼を持っている...と言う設定だけを見ると、なんともいけ好かない性格をしていそうに思えますが、実際には逆。力に守られて生きてきたからか、その力が効かない主人公には常にオドオドとして挙動不審。でも気になるから無視できないし、何とかして服従させたい一心で近付いてくる姿が、とにかく可愛らしくて良かったです。
主人公から、「自分の気を惹きたければ魔眼の使用は禁止」と言い渡され、普段の学園生活も違ったものになっていく展開も良かったです。力を使っていては出来なかった友達が出来ていく展開は良いですね。
幼馴染を始めとしたサブヒロイン達がそこそこ話が進んだ後に唐突に登場したりと、話の展開は唐突で微妙な部分も多かったです。しかし、それをマナの可愛らしさで補ってしまえる所が凄いと思いました。主人公とマナの関係は一応の決着を迎えますが、タイトルを見る限りシリーズ化は確定でしょうか。続きでは、今回全くと言って良いほど出番の無かった魔眼が活用されるのかなぁ。