アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者 1

榊一郎の新シリーズ。主人公はオタクでニート。親に働けとどやされ、面接を受けた会社の面接が何故か好反応。しかし面接中に寝てしまい、起きたらそこは異世界だった。なんと自分の雇い主は日本国、仕事の内容はこの異世界に日本のアニメ・ゲーム文化を輸出する事だった...と言う感じに話が始まります。
面白かったです。樹海の中で見つかった異世界へと繋がる道。交流を持とうとしても道が狭いから大きなものは持ち込めない、だから文化的な所から交流を...と言う一癖ある設定が新鮮でした。主人公が人の話を聞かないタイプで、時々イラッとする場面もありましたが...突然異世界に放り込まれた割には、アニメ好きなだけあって順応が早いし、異世界と自分たちの文化の差にも鈍感じゃない。決して頭の悪いキャラでは無かったので、どこか安心して読む事が出来ました。
ヒロインは主人公につけられたハーフエルフのメイドさん・ミュセルと、異世界の帝国皇帝。身分による差が激しい世界観の中なので、主人公のちょっとした気遣いにすら喜ぶ姿がとても健気で可愛らしいミュセル。良い子だ...。皇帝は見た目幼女。主人公から日本語を学ぶミュセルに対抗意識を燃やして突っかかってくる所が良い感じでした。身分差から一時はどうなる事か...と言う展開もありましたが、結構良い仲になるんじゃなかろうか。
終盤、この異文化交流の真意が明らかになります。裏の目的は決してお気楽なものではなく、サブタイトル通り「侵略」。武力では無く、文化的側面から攻める。帝国もバカでは無いので、多分この真意には気付いているとは思うのですが、落とし所がどのような形になるのか...楽しみです。