ベン・トー 8

シリーズ8冊目。
今回はクリスマス。最強に最も近い狼・サラマンダーこと響鉄平が南下してきて、オルトロスや槍水先輩、そして何よりも佐藤との戦いを望む展開。良い感じに熱くて面白かったです。佐藤は正式な二つ名は持たないものの、いつの間にかその存在が大きくなってきましたね。
しかし今回一番はやはり槍水先輩。サラマンダーに負け続ける佐藤がオルトロス達と対策を練るために行動を共にして部室にあまり顔を出さない。徐々に笑顔に寂しさが混ざって行く槍水先輩が読んでいて切なかったです。部室でのクリスマスパーティを楽しみにしていたのに、それを告げるのが遅かったために独りぼっちになってしまう先輩の寂しそうな姿と言ったら...。しかも、無理に強がっているから余計に。
でもそこは佐藤。色んな人に助けられて、最後はキチンと選択してくれました。著莪へと事情を伝えた時、電話ごしの彼女の表情は伺えないけれど、多分こっちはこっちですんごく切ない顔をしていたんだろうなぁ。様々な人の心情が合わさって、最後のワイワイとした雰囲気がとても胸に沁みた1冊でした。そろそろ、佐藤にも正式な二つ名が付きそうですね。続きが楽しみです。