サクラダリセット 6

能力者の街・咲良田に存在する全ての能力を消去してリセットする。管理局・浦地の企む目的と、それを阻もうとするケイ。そして相麻の目的。最終章に入り、様々な事が明らかになっていく6冊目です。

凄く面白かったです。ケイを突き動かす、熱く静かにでも激しい想いが素晴らしかったです。能力が世界にとって必要かどうか。誰にも答えが出せるようなものでは無いと思います。しかし、春埼と積み重ねた時間は能力無しでは語れない。好きな娘のために、たとえ相手がなんであろうと、全力で事態の回避に全力を注ぐ展開が大好き。
また、相麻も凄かったです。未来視の能力を持っていながら、何故一度は死を選んだのか。その理由がこのうえなく切なくて。シャワールームのシーンは何度読んでも泣きそうになってしまう。未来が見えるのならば他の未来だって選べたはずなのに、でもこの未来を選択したその想いの強さに脱帽。
この物語を読み始めた頃、登場人物達の感情が希薄で全体的にモノクロな印象が強かったのですが、3巻で色彩豊かになり、今ではこんなに色に溢れています。残るは1冊。どんな結末が待っているのか楽しみです。