ゴーストハント 7

隔月で続いていた『ゴーストハント』シリーズ、遂に最終巻。6巻の舞台だった料亭から東京へ帰る途中、引き寄せられるようにたどり着いたダム湖。突如、ナルが東京に帰ろうとはしなくなり、さらには事務所も閉鎖すると言い出す。そこに近くの廃校で起こっている事件の解決を頼まれて...と言う展開です。

最高に素晴らしかったです。凄い凄い凄い。突然ナルが何かを「見つけ」、事務所を閉じる、と言い出した時には何がなんだかわかりませんでしたが、そこから明らかになった真相には興奮しっぱなし。特に、ナルの正体がハッキリと明らかになった瞬間は鳥肌ものでした。おおおおそうだったのか...!!!! 全然気付かなかったと言うか疑いすら持たなかったよ!! 各巻に少しずつ散りばめられた伏線が、ここで一気に回収される展開が、本当に素晴らしかったです。確かに、あれ? と思った瞬間は過去に何度かあったのですが。まさかここに繋がっているとは。
廃校の調査も、メンバーが1人、また1人と消えて見知らぬ子供に置き換わっていく展開には、背筋が寒くなる思いをしました。ホラーに子供を使うのは怖すぎる。そんなホラーとしての震えと、話の真相に徐々に近づいていく事から起こる奮え。2つが混じり合って、一体自分は今何が原因でこんなに鳥肌が立っているんだろう? と疑問に思ってしまうぐらいでした。
そして麻衣の恋の行方。これは切ない。なんてこった。勘違いしても仕方ないとは思うのですが、でも仕方ないで片付けるには、あまりにも切なくて。もっと早く、真相を教えてあげなよ! と思わずにはいられませんでした。でもナルの性格的にそれはあり得なかっただろうし...切ない。でも麻衣は強いですね。ラストを読む限り、これを乗り越えて、前へと進む事でしょう。

これにて『ゴーストハント』は完結。2ヶ月の1度の楽しみが終わってしまって残念ですが、7冊、どの話も楽しませてもらいました。ありがとうございました。未完の続編があるらしいですが、そちらの続きは復刊しないのかなぁ。読みたい。

最後に。この最終巻、穴あきカバーなのですが、カバーは読み終わってから外す事をオススメします。